【徳島県】6番札所 温泉山 瑠璃光院 安楽寺(あんらくじ)

こんにちは、kScの田中です。『四国お遍路ときどきサウナ』のエピソード6では、第6番札所「安楽寺」(あんらくじ)を紹介いたします。

第5番札所の地蔵寺からは旧撫養街道を西に約5km進んでいきます。道のりは平坦ですが、これまでの1~5番札所よりも距離が長いので歩きなれていない方には大変かもしれません。

本寺の境内は山門から各塔堂までは比較的質素な道が続いており、400年の歴史を持つ本堂は歴史の長さを感じさせる佇まいです。なおこの山門は見どころの1つで、竜宮城のような造りになっています。

山号が「温泉山」であるように開基当初から現在に至るまで温泉が本寺の特徴であり、また駅路寺(遍路人や旅人のために食事や宿を提供する施設)をルーツの1つに持つことも四国霊場では唯一です。徒歩で巡る場合はこのあたりで1泊するのがちょうどよく、現在も宿坊に宿泊できるようですので、関心があればいかがでしょうか?

第6番札所 安楽寺(あんらくじ)

安楽寺は、徳島県上板町にある高野山真言宗の寺院です。本尊は薬師如来で、空海(弘法大師)の手によるものと伝えられています。温泉山(おんせんざん)瑠璃光院(るりこういん)と号し、四国八十八箇所第六番札所、阿波北嶺薬師霊場第2番札所として知られています。温泉山という名にあるように、ラジウム鉱泉入りの薬湯が有名です。

ご詠歌:かりの世に 知行争う むやくなり 安楽国の 守護をのぞめよ

歴史
開基は弘仁6年(815年)、当初は2kmほどの距離にある安楽寺谷に興りました。ここで温泉を発見した空海が湯治の薬効に着目し、病魔から人々を救う薬師如来像を自ら制作して本尊としたと伝えられています。温泉山という山号はこの温泉のご利益から取られており、現在も大師堂の前から温泉が湧き出ています。

その温泉のために参拝する信者の支援もあり寺院は繁栄していたものの、天正年間(1573~1592年)に長宗我部元親の兵火により焼失し、 万治年間(1658~1661年)に現在地にあった駅路寺の瑞運寺を併合して再建されることとなりました。この宿坊はそれ以来400年の歴史を持っています。

このような経緯があり、『四国遍路日記』(承応2年(1653年))では「駅路山浄土院安楽寺」、貞享4年(1687)刊行の『四国辺路道指南』には「六番安楽寺又は瑞運寺とも云う」、元禄2年(1689年)の『四国徧礼霊場記』には「瑠璃山日興院瑞運寺」、寛政12年(1800年)の『四国遍礼名所図会』には「六番温泉山安楽寺」と、名称の変遷が反映されています。

本尊の薬師如来坐像は、昭和37年(1962年)に、妻の難病平癒祈願のため四国遍路を続けていた夫婦が、遍路途中に病気平癒に至ったために寄進したものです。九尺五寸(約361cm)の薬師如来坐像に、一尺三寸(約49cm)の本尊が胎内仏として納められています。

境内


▲本堂


▲大師堂


▲山門


▲多宝塔

◯本堂‐堂内で本尊を拝観できる。
◯大師堂‐堂内で大師像を拝観できる。不動明王坐像と愛染明王坐像が両脇仏で、仏師・松本明慶が無名時代から彫り続けた仏像約60体が各堂にある。大師堂前には温泉が湧き出ている。
◯山門(鐘楼門・仁王門) – 白壁の竜宮門形式で上層が鐘楼になっている。金剛力士像が安置されている。
◯金剛宝拝殿‐一対の童観音、青銅製香炉、燭台が並んでいる。欄間には空海の一代記の彫刻が設置されている。
◯多宝塔‐五智如来を拝観できる。
◯観音堂
◯逆松(さかまつ) – 修行中の空海が矢で射たれたものの、矢は松を射抜いて折れてしまった。空海はこの松を逆さに植え、この松によって厄災を免れて繁栄すると予言したという故事がある。
◯願い棒‐大師堂付近にある修行大師像の前に置かれている。
◯句碑‐これらの句碑がある。「暮れても宿がないもずがなく 」「分け入っても分け入っても青い山」「雪ふるひとりひとり行く」「駅路寺の灯をあびて発つ遍路哉」「うれしいこともかなしいことも草しげる」「もりもりもりあがる雲へあゆむ」「人生即遍路」

宗派:高野山真言宗
本尊:薬師如来(伝弘法大師作)
開基:弘法大師
創建:弘仁6年(815)
真言:おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

所在地
〒771-1311 徳島県板野郡上板町引野字寺ノ西北8
電話/088-694-2046
駐車場/普通80台・大型バス10台
宿坊/あり
公式HP/http://www.shikoku6.or.jp/

*境内は基本的には写真撮影OKですが、場所によっては撮影禁止の所もあります。
*気を付けながら撮影しているつもりですが、禁止箇所に気づかず見逃していれば再編集いたしますのでご一報ください。

総合得点 4.84
3
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  • サウナのオススメ度
    4.67

クチコミ情報
3

  • 宿坊が魅力

    安楽寺は四国霊場の素晴らしい一部で、私はここで本当に特別な体験をしました。竜宮城のような山門が私を迎え、その瞬間からこの場所が異なることを感じました。本堂までの道は穏やかで、四季折々の自然景色が心を落ち着かせてくれます。そして、温泉山の名の通り、温泉は本当にリラックスできるものでした。特に宿坊での宿泊は、四国巡礼の精神に触れる貴重な機会でした。安楽寺は歴史と自然、そして霊性を結ぶ素晴らしい場所で、再び訪れる日を楽しみにしています。ニックネームを

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    • 銀の月
    • 5.00
  • 竜宮城のような安楽寺

    遍路の旅で宿坊に泊まりました。静寂と温泉に癒され、また訪れたいと思います。"

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    • 旅するバイカー
    • 5.00
  • 魅力的な

    第6番札所「安楽寺」紹介は興味深いです。本堂の歴史と山門の竜宮城のような造りに惹かれました。温泉と駅路寺のルーツも魅力的です。宿坊での宿泊も魅力的な選択ですね。詳細な情報があり、参考になりました。

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    • 岡田
    • 4.50
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【徳島県】6番札所 温泉山 瑠璃光院 安楽寺(あんらくじ)

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