こんにちは、ｋSｃの田中です。『四国お遍路ときどきサウナ』のエピソード8では、第8番札所「熊谷寺」（くまだにじ）を紹介いたします。

第7番札所の十楽寺からさらに西に進むこと、約3.8km。ゆるやかながら登り坂が続き、意外に大変な道のりかもしれません。熊谷寺は四国八十八ヶ所霊場で最大の山門（仁王門）を構えることで知られており、貞享4年（1687年）建立のこの山門は非常に立派です。

ですが、本寺は山門と本堂の間に片側1車線の舗装路が横切っています。参詣の際に地図アプリを使う場合、目的地を本堂にしてしまうとこの道を経由してしまい、山門を通らなくなってしまうので、目的地を山門にし、南側（徳島自動車道の下を通る道）から参詣するのがオススメです。なお、駐車場も本堂に近い場所にありますので、車で参詣した際には山門を拝観することもお忘れなく。

「花のお寺」としても知られており、春から夏にかけて季節の花を楽しめるお寺でもあります。

第8番札所  熊谷寺（くまだにじ）

熊谷寺は、徳島県阿波市土成町土成にある高野山真言宗の寺院です。本尊は先手観世音菩薩ですが、空海（弘法大師）の作とされる当初の本尊は現存しません。山号・院号は普明山（ふみょうざん）真光院（しんみたいん）と号し、四国八十八ヶ所巡礼の第八番札所、また阿波西国三十三観音霊場（東部）の第27番札所として知られています。

ご詠歌：薪とり　水くま谷の　寺にきて　難行するも　後の世のため

歴史
創建は815年（弘仁6年）であり、空海（弘法大師）が閼伽ヶ谷で修行をしていた際に、熊野飛瀧権現（熊野那智大社の別宮飛瀧神社の祭神）が現れて宣託をしたとのいわれが伝わっています。空海は熊野権現から1寸8分 (約5.5 cm) の金の観音像を授かりました。そこで空海はこの地にお堂を建て、一刀三礼して霊木に等身大の千手観世音菩薩を刻み、その胎内に授けられた観音像を収めて本尊としたと言われています。

しかし、すでに述べたようにこの本尊は現存しません。1927年（昭和2年）に発生した火災により、本堂とともに焼失してしまいました。本堂は1940年（昭和15年）に再建が開始されましたが、戦争により中断、ようやく1971年（昭和46年）完成し、本尊も新造されて開眼しました。

境内

▲本堂

▲大師堂

▲山門

▲多宝塔


▲鐘楼
○本堂：昭和46年（1967年）に再建されたもの。毎年正月三が日と毎月18日に本尊千手観音が開帳される。
○大師堂：本堂の左手にあり、室町時代作の弘法大師坐像が安置されている。
○山門（仁王門）：本堂からは100 mほど南にある。高さ13 mの二重門で四国霊場最大である。
○中門（二天門）：持国天と多聞天が両脇に立っている。
○熊野飛瀧権現社跡：熊野飛瀧権現を祀っていた社。本堂と谷を挟んだ右手の台地にあったとされます。
○鐘楼：袴腰形式であり、参拝者が撞くことはできない。
○多宝塔：内部は胎蔵界大日如来像を中心に、東に阿閦如来、南に宝生如来、西に無量寿如来、北に不空成就如来を祀っていて、本寺の見どころの1つである。
○鎮守神（石祠）：上記の熊野飛瀧権現社跡から移されたもの。
○熊谷寺板碑：阿波板碑で亡き父母の供養のため1339年（慶応2年）に建てられたという。
○稲荷社（祠）：京都伏見稲荷を祀る。
○弁財天：境内横の弁天池の弁天島にあり、安産祈願のための参詣者も多い。

宗派：高野山真言宗
本尊：千手観世音菩薩
開基：弘法大師
創建：弘仁6年（815）
真言：おん　ばざらたらま　きりく

所在地
〒771-1506 徳島県阿波市土成町土成字前田185
電話
088-695-2065
駐車場
普通20台・マイクロバス・大型6台 他に臨時駐車場三ヵ所ある 50台可　志納金制
宿坊
なし
公式HP
なし

＊境内は基本的には写真撮影OKですが、場所によっては撮影禁止の所もあります。
＊気を付けながら撮影しているつもりですが、禁止箇所に気づかず見逃していれば再編集いたしますのでご一報ください。